Wandering Star Line

まあ楽しくやろうぜ

2019.07.18 語彙の死んだうたプリの民が思うマジLOVEキングダムの話

ご存知のように6月14日に我々の国、マジLOVEキングダムが建国された。コンテンツが立ち上がってからほぼ10年、劇場版の発表から2年半である。私がうたの☆プリンスさまっ♪に出会ったのはDebutのちょっと前、2012年の1月なので、私にとってはおよそ7年半の旅路を経て迎えた場所、ということになる。建国記念日にはもちろん仕事を休み、謹んで一歩をその大地に印させていただいた。翌日の建国舞台挨拶にも運良く当たり、パシ横の大ホールで5500人で映画を見るというありそうでなさそうな経験をした。プリンスおじさんたちの超絶テンションと全く予想を覆すボリューム感たっぷりの声優イベントで、うたプリコードとも呼ぶべき暗黙のアレコレを片っ端からぶっ壊して行かれておそらくこれは死ぬほど面白いが盤になったら1/3も入らないだろうなと思った。あと各媒体のレポートも苦労するだろうなと思った。うたの☆プリンスさまっ♪はその規模や歴史の大きさ長さを考えると意外なほどキャストが自由にキャラクターや歌やコンテンツについて話す時間というのが少なく、カルライ1stの映像特典であった座談会を見た時にはそれはもう嬉しい衝撃を受けたものである。限られた時間とはいえそういう機会をここで(生で!)見せてもらえたことは大変に僥倖であった。あと、鈴村前野ゆうまたそのトリオがトークのテンポが良すぎて最高だったので3人でラジオとかやりませんか ファミ通にゆうまたそ呼びませんか イヤ本当に鈴村健一さんって心から凄い人だと思ったんじゃよ…

ファッキン激務が重なり心身ともに体調を崩したり荒れたり2年ぶりに咳喘息再発させたりして残念ながら6月中にあまり回数は重ねられなかったが、それでもどうにか時間と機会を捻出しながらやっと帰国回数が二桁を重ねた。その間に世間では私が思っていたよりずっとずっとたくさんの(人数|属性)の人たちが、波紋が広がるように入国を重ねてくれていて、6月の末には気が付けば都心では手元の前売り券はほとんど使えない状態になっていた。インターネット予約の時点で席が埋まってしまうのだ。そうなればいいなと思っていたけれど、本当にそうなるとは思っていなかった。7月14日、公開5週目。建国1か月記念日の13回目の鑑賞を私は川崎チネチッタのチネ8で迎えていた。初日に観た時、これをLIVE ZOUNDにかけてくれたら素晴らしいだろうなと思ったのだけど、まさかそれを5週目に、あのチネ8を満員にして実現できるなんてまったく予想できなかったんだ。

それを実現させたのは紛れもなく外から入ってきてくれた、今までうたプリに触れたことのなかった人たち、そして久しぶりにうたプリに戻ってきてくれた人たちだ。いや、もちろん劇場版の発表されたあの日から、色々な悲喜こもごもの思いをしながらCDを買いまくってきた私たちだってそうだ。プリンス達の衣装がひらひらするたびに私の買った一枚一枚のCDがきっとあのひらみに貢献していると思うと涙が出る。いや、今までうたプリに関わって一円でもそのお金や思いを落としてくれた人は皆そうだし、過去にも今にもミリも出会ったことのない人でも、未来にうたプリに出会ってくれる可能性があるなら感謝をしたい。私は今そういう心持ちだ。

しかしここでは「ご新規」や「お久しぶり」の人の話をしよう。驚くほどたくさんの人たちがわざわざ劇場に足を運んでその貴重な100分を使ってくれて、そしてインターネットに毎日毎日、素晴らしいまっすぐな言葉で私たちのうたの☆プリンスさまっ♪の描いている本質をほめてくださる文章が並んでいる。それは我々うたプリの民が体験したことのなかった時代ではないだろうか。観察されているか、怖がられているか、ネタにされているか、笑われているか。とにかく自ジャンルのコンテンツそのもの、すなわち自分の信じている神様を外から褒めてもらえることが、こんなにうれしいなんて、私は知らなかった。うたプリの民である私と友人はいつも会うたびにただ二人で我々の大好きなうたの☆プリンスさまっ♪がどれほどに素晴らしく、福利厚生が充実していて、それを愛する我々がどれほど幸せにしてもらっているかを語り合う通称「おミサ」を行う。しかしおミサするうたプリの民はマジLOVEキングダム鑑賞後、自分でも驚くほどに語彙不足に陥っていた。あまりの恵みにいったいどこからなんて言っていいのかわからなくなった。何を語っても言葉が自分の感じたものの上を滑って行く感じがした。そこに飛んできたのが、インターネットであふれるほどに降り注ぐ、「外の人」が感じたままに綴って下さる、その感想だった。それは私たちが何年間かけてコンテンツと一緒に歩いてたくさんおミサして愛情を確かめ合ってきたその情動の歴史を、100分で全て体感してもらったかのような、雷に打たれたみたいな喜びにあふれた言葉たちだった。

いつだったか書いたように、我々の宗教は「布教したい」という強い衝動がもうない。私たちは同時に一つのアイドルの国にしか住めないことを知っているからだ。でも、それとは裏腹に、コンテンツは何年もずっとのどから手が出るほど強く「ご新規さん」を求めていた。ファンの新陳代謝を求めていた。思い入れや愛の深さが形を変えたクソみたいなしがらみと無縁の、新しい地平を求めていた。9年前、少し二次元から離れていた私の耳にも「マジLOVE1000%」「ST☆RISH」の名前は届いたし、覗いたその動画は誰が見たってすごいものだということがすぐにわかった。あの時、この世界に「男性二次元アイドル」の扉は開いた。9年の時間の後に、今度はテレビの画面を通さずにこの「誰が見たってすごいってわかるマジLOVEキングダム」という現実が起きている。世界にもう一度、二次元アイドルの誰も見たことがない可能性を知らしめている。倉花先生も多くのうたプリの民も口にする【奇跡のコンテンツ】うたの☆プリンスさまっ♪の、新しい奇跡がまた始まる予感に、語彙の死んだ民はただただ「うれしい」「しあわせ」「愛」「感謝」とつぶやくのみであります。みんなもっといっぱい感想書いて民に読ませてくれよな!!最高だ!!!

ちなみに今まで読んだ感想記事の中で一番個人的に好きなのはこれです。 nuf-inc.jp