Wandering Star Line

好きな子に満ちた世界で笑って生きています

2014.05.09

アナ雪の話。

ディズニー映画の歌の日本語訳は今まで「Beauty and the Beast美女と野獣)」も「Part of your world(リトルマーメイド)」もまるっきり納得できんわと思ってきたし、当然「Let it go」も無いわ~って思っている。英詞のニュアンスの1/10も掬い取れてないうえに日本語的な誤解を含むフレーズに置き換えられているのはひどくもどかしい。でも日本語詞という致命的に音節が足りない状態ではあれがベストアンサーとならざるを得ないことも理解できる。ちゃんとサビを「o」で韻を踏んでるのも評価できる。しょうがない、しょうがないんだろうなあ。言葉足らずも誤解も。

「Let go」は「手放せ」だ。let it beよりもgoはもっと能動的。殴れ!破壊しろ!壊せ!進め、棄てろ!お前には必要ない!そもそもそいつには意味がないのだ!相当強烈なエネルギーをもったアファメーションなわけで。それが全世界を駆け巡ってる。鳥肌が立つ。マジで「ディズニーがやりよった…」というのが第一印象だった。

私はいつだって本当のことに口を噤んできた。親も家族も友達も同僚も世論も、実体のない亡霊は透明なラップみたいにべったりと私の口の周りを覆い、私の両腕を縛っていて、そうすることで全ては保たれるのだという。保たれるんだって思うこと自体が亡霊で枷だよ。知ってる。知ってるけどどうにもならない。でも本当はそうやって縛られ怖がり動けないうちに何かを失ってしまうのかもしれない。怖い。だから私はイディナ・メンゼルの歌で何回でも泣くよ。開始5分のシーンでトロールの長が「(魔法を受けたのが) 頭で良かった。頭は簡単に変えられるけど心までは変えられない」って言ったところで早々に泣くよ。そうだよ。心は変えられないんです。確かに私は私の世界の中でだけ自由だ。でも、それだけだ。

♪The cold never bothered me anyway.

「the cold」は外気の寒さだけではなく彼女自身のもった器質(魔法の力)も指している。「私自身の器質はずっと私を苦しめてきた。その力も、それを外に見せてはいけないことも。でもね、今、それはもう私を少しも煩わせないのよ」というニュアンスを、「少しも寒くないわ」の一言で表すのは、あまりにも読解力を必要とするなあ、と思う。

本当のことはとてもシンプル。シンプルな言葉はシンプルだからこそ手あかが付く。要らないものは窓から投げ捨てろ!自分自身の枠も、他人から与えられた枷も。手あかの付いた言葉をその手あかゆえに格好悪いと切り捨てることができる人は、そもそもその言葉が必要ない、幸せな人なんだと思う。枠も枷も、自分の口を腕を押さえつける透明な無数の腕も感じないでいられるのだから。 羨ましい。

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